ここでは、「守・破・離(しゅ・は・り)」という大切な話をしましょう。
楽器上達のため、また、あなたがオリジナルなアーティストとして活躍するために大切な話です。
「守・破・離」というのは、人間の成長プロセスを表したものです。
もともとは、KARATE(空手)などの日本の武道や、KABUKI(歌舞伎)などの芸道の世界で
稽古のやり方について言われていた秘訣なんですが、どんな分野でも、人間は以下のプロセスを通ると成長が早いです。
・守る(@)…師匠の教えを素直に守り、基本を体得する
・破る(A)…師匠の教えを少しずつ破っていき、自分のアレンジを加えてく
・離れる(B)…師匠から完全に離れ、自分のオリジナルでやっていく
守って、破って、離れる。
たとえば、バンド(ミュージシャンやアーティストというのも、だいたい次の3段階を通ります。
@まず、好きなアーティスト(ゆず)の曲(夏色)をコピーする。いわゆるコピーバンド。
Aコピーするうちに「夏色」に自分なりのアレンジ
を加えていく。
B自分で歌詞と曲を書き、完全に自分のオリジナル
曲でやる。
言い換えれば、「守・破・離」というのは、「コピー、アレンジ、オリジナル」ですね。
KABUKIなどの芸道や、KARATEなどの武道に限らず、どんな分野においても、
人間が成長するには、だいたいこの段階を通ります。
「守・破・離」というのは、人間の成長プロセスなんですね。
まず基本を学んで、少しずつ自分のアレンジを加えていって、最終的に自分のオリジナルができる。
そして、もう分かるように、この「守・破・離」は、行動していけば自然に起こることなんです。
まず、自分の大好きな曲の楽譜を買ったりして、楽譜通り曲を弾く。
大好きな曲をギターで弾いているうちに、「ここはもっとこうしてみようかな?」というアイデアが
出たりして、自分なりのアレンジを加えるようになる。
そして、他にも大好きな曲をたくさんコピーしていくうちに、自分で歌詞と曲を書き、完全にオリジナル
の曲ができるようになる。
つまり、「あなたらしさ」を見つけたり、それを発揮したりするには、まずは、
あなたの大好きな曲を弾きまくればいいわけです。
それも作詞作曲をするために、ギターだけじゃなく、ベースやドラムでも弾きまくればもう完璧。
例えば、あなたがサザン・オールスターズの「TSUNAMI」が大好きなら、
まずはその楽譜を買って、ギターで弾いてみて、ベースで弾いてみて、ドラムで叩いてみる。
そうすることによって、自然と「あ、ここはもうちょっとこうしてみようかな」というアイデアが、
どんどん降ってきます。
ギター的なアイデア。例えば、間奏(かんそう)のギターソロやカッティング(伴奏)。
ベース的なアイデア。例えば、ギターとの兼ね合いやベースソロ。
ドラム的なアイデア。例えば、全体のリズムや、ワビサビの付け方。
などなど。
1つの楽器(例えばギター)から見た曲の側面よりも、いろんな角度から曲を見たほうが
アイデアも沢山出てくるし、また、
(何よりすごく楽しい!)
ちょっと話がそれてしまいましたが、「守・破・離」というプロセスをぜひ、意識してみてください。
あるとき、「あ、これは!」という曲のアイデアに出会えます。
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